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2007.7.19-31 : 10 Days Exhibition vol.16 葛西亜理沙「San Franciscans」 プリント

 


“San Franciscans”  by 葛西亜理沙

始めは真似だった。
本屋さんでNYの地下鉄を撮ったカッコイイ写真集を見つけた。
コントラストの高いモノクロの写真は、地下鉄の暗さや汚さ、淀んでいる空気を消し去り、むしろ全てをカラフルにヴィヴィッドに写していた。

ちょうど、米国で写真を本格的に始めて2年目だった。
「私も、サンフランシスコの地下鉄をカッコヨク撮りたい。」
人種、国籍、性別、ジェンダー、年齢よりも、一個人の人間としてアイデンティティを確立するサンフランシスカンに魅了されていた私は、翌年、大学を卒業して帰国する前に、彼らのひとつのストーリーを撮ってみたいと思っていた。

それからは、カメラを持って地下鉄での観察の日々。
気づかれないように、
ファインダーも見ず、
何となく間隔を決めて、
シャッターチャンスを狙いながら、そーっと。
電車が“がたんっ!”と大きく鳴って揺れたときに、静かに“カシャッ”。

地下鉄の中で、人は話し、笑い、携帯をいじり、新聞を読み、居眠りをし、音楽を聴き、考え事をし、何かに思いを馳せていた。

個性を大切にするサンフランシスカン達は、静かな個の世界に入っていた。
というよりも、私自身が彼らのストーリーを撮りながら、カメラを持って静かな個の世界に入っていたのかもしれない。
真似から始めたけれど、いつの間にか自分の視点で撮り始めていた。
試行錯誤しながらも、サンフランシスカンストーリーを写真にしていた。



 

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