今道子

Recent Works

2014.1.8(水) - 3.1(土)
Photo Gallery International

今道子

Recent Works

2014.1.8(水) - 3.1(土)
Photo Gallery International

  • ©Michiko Kon

今道子は、自身の想像の中にある非現実の現実を、視覚芸術である写真を用いて表現しています。1980年代半ばより作家活動を開始、野菜や魚などの食材や花や昆虫を素材としてオブジェを制作、それらを自ら撮影し印画紙に焼き付けた作品で知られる写真家です。

本作では、障子や古道具、日本人形など、今までにはあまり登場しなかった和のモチーフや、家族や飼い犬の肖像、人体模型や骨格標本、動物の剥製など、直接的に生死を連想させるオブジェが今まで以上に多く見られます。作者は近年、特に歌舞伎や大衆演劇などの伝統芸能や、日本古来より親しく使われている家具や道具に興味を持っていると語っていますが、その興味が作品に反映されており、作品を制作することへの強い意欲と好奇心が感じられます。

目玉や花で飾られ、もしくは魚の頭を纏い、架空の生き物となった剥製や標本、古道具は、独特の艶かしい触感を持ち、銀塩の美しいプリントの中で凝固させられ、今道子によって吹き込まれた新たな命を生きているかのようです。民話や伝説の中で生かされる想像上の動物が教訓の寓意であるように、今作品のオブジェは彼女の死生観、ひいては祈りの寓意でもあるのでしょう。
「神、肉体、生、死、時間という言葉は、子供の時から美しさや恐ろしさや不思議さのイメージとともに、自分の中で大切な言葉です。魚を写真に撮る事により生物への贖罪の気持ちや永遠性を求めたり、魚を「もの化」することにより再生を望んだり、作品を作ることにより、これらの言葉の意味を私なりに考えて行きたいと思っているのだと思います。」

今道子独特の感性で生み出された、どこか恐ろしいような沈黙したオブジェが誘うありとあらゆる「根源的な感覚」と、欲求や嫌悪感を刺激する「本能的なところに触れる」視覚をぜひ体験して下さい。

今 道子(こん みちこ)

1955年鎌倉に生まれる。1991年木村伊兵衛賞受賞。個展多数。
近年の主なグループ展
“日本の「妖怪」を追え!北斎、国芳、芋銭、水木しげるから現代アートまで” 横須賀美術館(2013年)
“飯沢耕太郎・今道子展” 巷房(2011年)
“Beyond the Surface – Japanese Style of Making Things” シンガポール美術館(2003年)
“日本写真史展” ヒューストン美術館(2003年)など
作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、シカゴ美術館、ジョージ・イーストマン・ハウス、センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー、 プリンストン大学美術館、ポラロイド・コレクション、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ美術館などでコレクションされている。