杉山守

TODAY

2014.3.4(水) - 4.19(土)
Photo Gallery International

杉山守

TODAY

2014.3.4(水) - 4.19(土)
Photo Gallery International

  • ©Mamoru Sugiyama

  • ©Mamoru Sugiyama

  • ©Mamoru Sugiyama

  • ©Mamoru Sugiyama

  • ©Mamoru Sugiyama

「TODAY」杉山守

 

なにげない一瞬を切り撮った杉山の写真は、記憶の記録のようにも見えます。
「TODAY」は15年来患っているパーキンソン病のために毎日少しずつ症状がすすんでいくのを感じながら、“その日”をみつめて撮った新作です。

しかし病気を持ったことで以前には意識しなかった時間の流れに気付いた杉山は、写真家として記録することよりもそこに在る被写体、光、色を、凝視し、捉えることを選びました。これらの写真はグレイの色調で描かれた作者自身にとっての日記だとも言っています。

 

誰もが見えている特別でもなんでもないものに美しくあたる陽光を捉えた写真は、モノクロームの光と影がその存在感を浮き彫りにするという表現方法で撮り続ける杉山の真骨頂とも言えるでしょう。
旅、静物、日常、裸婦、と作品を発表してきましたが、今作では今までよりも長い時間じっと凝視して撮影することで、そこに時間の流れが見たと言っています。
こうしたことに気付いたとき、このまま一つの道を進んでいくはずだった人生が二層になったように感じたそうです。

「まるで、もう一つ新たな生を生かされているかのようで変なふうに聞こえるかもしれないけれど、嬉しかった。今まで見えなかったこと、気付かなかったことを、掌の中につかむことが出来た…。」

 

生活の中で見逃されてしまうようなごく内的な事や物に光があたり、その光が印画に定着されるとき、誰にでも訪れる人生の小さなポイントが浮かび上がって見えてくるようです。