須田一政

雀島

2011.9.1(木) - 10.29(土)
Photo Gallery International

須田一政

雀島

2011.9.1(木) - 10.29(土)
Photo Gallery International

  • ©Issei Suda

  • ©Issei Suda

  • ©Issei Suda

  • ©Issei Suda

  • ©Issei Suda

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一瞬の間合いで被写体と密に通い合いその存在の不可思議を引き出すスナップ。
人や街、日常を被写体に驚くほどの多様性を繰り広げ独自の世界を創り出してきた須田の一連の作品の中で今回の新作は新境地とも言える作品となりました。
街を歩き回りスナップをするスタイルから一転、雀島という被写体を執拗に追っています。
被写体の多様性を失ったことはしかし須田の表現する世界をもっと端的に表すことになったようです。

 

雀島は千葉県いすみ市津々ヶ浦にある小さな島です。
ある時期から須田は自宅から車で数十分のこの島へ通い撮影を始めました。
夜中にふと目が覚め、島のことが気にかかり撮影にでかけることも多かったと言います。
雀のように小さい島だからこのような名がついたのか、その小さな島は雨風にさらされ削られ今の形になっています。
海蝕によって島はやがて岩に変わり、いつしか消滅の運命にあります。消えてしまうこの島を記録することは写真家の心に何らかの兆しを与えたと言えるでしょう。しかしある時点から作者は島の消滅を人間の肉体や街の移り変わりと重ね、自身の大きなテーマを雀島を通して表現し始めました。
「気にかかるモノを執拗に撮り続ける私の病癖は最高潮に達した。対峙する限りにおいて島は私の所有物になり、私の心のあり様によって、漆黒の魔人にも奇跡の場所にもみえた。」と語り、その結果「密に向き合った物言わぬ一個の対象こそが、私のかつて追い求めてきたモノの象徴だった」と言います。

 

作者の嗅覚が自らを導いてたどり着く性癖は、印画紙上に再現された島を取り巻く光景となり、時にセンチメンタリズムやエロティシズムの象徴のような姿に見えたり、幽玄な表情を見せたりと、様々に見る者に語りかけます。

須田一政 x 倉石信乃トークショーのご案内

 

 

PlaceM にて同時開催

須田一政作品展

「Sign」     2011年9月26日(月) − 10月2日(日)

「ROOM 2010」   2011年10月3日(水) − 10月9日(金)

須田 一政(すだ いっせい)
1940年東京都生まれ。千葉市在住。1962年東京綜合写真専門学校卒業。1967年から1970年まで演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主催)専属カメラマンとして活躍。その後1971年からフリーとなる。1976年「風姿花伝」により日本写真協会新人賞、1983年「物草拾遺」等により日本写真協会年度賞受賞、1985年「日常の断片」等により第一回東川賞国内作家賞受賞、1997年「人間の記憶」により第16回土門拳賞受賞。個展・グループ展、出版多数。