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©Kenji Hosoe
細江賢治氏は、自宅近くの夜景や樹木、満月など、ごくありふれた日常にある被写体へ、自らの審美的な意識を投影した写真作品を発表してきました。
今回発表される新作「雲の意図」は雲を撮影したものです。作者はこの作品で、日常に存在し変化し続ける雲という対象を、写真という固有の方法を用いて個人的な視覚で捉え、そこに「スピリチュアル=精神性」や「ミステリー=神秘性」を表出させようとしています。
「現在も進行する写真表現の中で、流行でもなく話題性もないものを撮り続けることは写真プロパーとしての自負である」と作者は述べています。
今回の作品展では、細江賢治氏の10年来の作品「心象大系」(1994年)、「誰も知らない」(1997年)等も併せて展示し、その活動の軌跡を振り返ります。
大全紙を含むモノクローム作品(ゼラチン・シルバー・プリント)40余点を展示します。
細江 賢治(ほそえ けんじ)
1963年 東京生まれ。2003年 東京工芸大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了。 1994年 個展「心象大系」I.C.A.C.ウエストン・ギャラリー(東京)、1997年 個展「誰も知らない」P.G.I.芝浦(東京)、1998年 個展「エクスペリエンス」ギャラリーJy(東京)、1999年 個展「Inner Landscape of Mine」ハワード・グリーンバーグ・ギャラリー (ニューヨーク) などで作品を発表。現在、父である細江英公氏の助手として、多くの展覧会やコレクションのためのプラチナおよびゼラチン・シルバー・プリントのプリンティングを担当しながら、大学や美術館においてプラチナ・プリント技法等の講師を務める。また、雑誌等にプラチナおよびゼラチン・シルバー・プリントに関する技術解説を多数発表している。
PGI Exhibitions
2003年 | 「雲の意図」 |
1997年 | 「誰もしらない」 |