普後 均

KAMI / 解体

2001.11.2(金) - 11.22(木)
Photo Gallery International

普後 均

KAMI / 解体

2001.11.2(金) - 11.22(木)
Photo Gallery International

  • ©Hitoshi Fugo

普後均は、代表作「FLYING FRYING PAN」シリーズで、私たちが日常使用するフライパンをカメラによって抽象化し、物体を固有の意味から解放しようとする試みを行うなど、対象への様々なア プローチで、ストレートな写真表現の新たな可能性を探求する写真家として高い評価を得ています。

 

今回発表される新作は、印刷工場の火災により焼け焦げた巨大なロール紙と、阪神大震災で倒壊した神戸の街の、2つの対象を撮影した作品で構成されています。2つの被写体は共に、予期せぬ外部からの巨大な力によって破壊されたものであり、普後はそれらのディティールを大型カメラで克明に記録しています。

 

このシリーズで普後は、既に解体された或いは解体されつつある被写体と、微妙な距離を保ちながら、単にその背後にある物語をドキュメントしようとするのではなく、その事象の断片から普遍的な暴力や破壊の意味を抽出しようとしています。

 

展覧会は大全紙モノクロームプリント約30点で構成いたします。

普後 均(ふご  ひとし)
1947年、神奈川県生まれ。 1970年に日本大学芸術学部写真学科を卒業後、写真家 細江英公氏に師事。 1973年よりフリーの写真家として活動を開始する。1982年「暗転」フォト・ギャラリー・インターナショナル(虎ノ門)、1992年「ゲームオー バー」パルコ・エクスポージャー(渋谷)、1995年 東京都写真美術館 常設展「モノ・カオ・反物語」の中での個展「飛ぶフライパン」、1999 年「見る人」P.G.I. 芝浦、「日本の現代芸術写真」展 NBK(ベルリン)など、国内外での個展開催、グループ展出品多数。 1996年「やがてヒトに与えられた時が満ちて…」(池澤夏樹との共著)河出書房新社、1997年、写真集「FLYING FRYING PAN」写像工房を出版。作品は東京都写真美術館、京都国立近代美術館、北海道立釧路芸術館、パリ国立図書館 などにコレクションされている。

 

 

PGI Exhibitions

2001年 「KAMI / 解体」
1999年 「見るひと」
1982年 「暗転」