今 道子

Recent Works 2018

2018.3.7(水) - 4.28(土)
PGI

今 道子

Recent Works 2018

2018.3.7(水) - 4.28(土)
PGI

  • ©Michiko Kon

  • ©Michiko Kon

今道子は、自身の想像の中にある非現実の現実を、視覚芸術である写真を用いて表現しています。1980年代半ばより作家活動を開始、野菜や魚などの食材や花や昆虫を素材としてオブジェを制作、それらを自ら撮影し印画紙に焼き付けた作品で知られる写真家です。

 

近年幾度となく訪れているメキシコで制作撮影した作品や、メキシコのモチーフを取り入れ、メキシコの宗教観がもつ神秘的な雰囲気と自身の死生観を融合させた作品を作り上げています。また、今作品ではお馴染みの昆虫の標本や動物の剥製や、初の試みとなる蚕の幼虫、成虫、繭、などを取り入れながら、よりリアルに生と死や輪廻転生をも連想されるオブジェが多く使われています。

 

目玉や花で飾られ、もしくは繭や魚の衣装を纏い、架空の生き物となった剥製や標本、古道具は、独特の艶かしい触感を持ち、銀塩の美しいプリントの中で凝固させられ、今道子によって吹き込まれた新たな命を生きているかのようです。民話や伝説の中で生かされる想像上の動物が教訓の寓意であるように、今作品のオブジェは彼女の死生観、ひいては祈りの寓意でもあるのでしょう。

 

今道子独特の感性で生み出された、どこか恐ろしいような沈黙したオブジェが誘うありとあらゆる「根源的な感覚」と、欲求や嫌悪感を刺激する「本能的なところに触れる」視覚をぜひ体験して下さい。

目の見えない蚕  ちぢれたままのトンボの羽   動かない蝉   蚕のけはい   蚕の匂い   口の中の糸   耳から離れない蛇の落ちる音   飛べない蚕蛾   口がない蚕蛾

内臓のない仔山羊   和水仙の香り   ペチュコートの水分   柔らかい穴子の肌

白子石鹸   バンビパイン

一寸先は闇

 

ー今 道子ー

今 道子(こん みちこ)

1955年鎌倉に生まれる。1991年木村伊兵衛賞受賞。個展多数。

近年の主な個展に、「Naturaleza Muerta」メキシコ国立写真美術館, Fototeca, パチューカ (2017年)

「Michiko Kon」ミシェル・ソスキネ・ギャラリー, マドリッド (2017年)、グループ展に「BIRDS OF A  FEATHER」

ロバート・マン・ギャラリー, ニューヨーク (2017年)、「私はここにいます」サロン・ド・ベール, 小諸市 (2017年)、「永遠の幻想・美の幻影」スパンアートギャラリー, 六本木ストライプスペース (2017年)などがある。

作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、シカゴ美術館、ジョージ・イーストマン・ハウス、センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー、プリンストン大学美術館、ポラロイド・コレクション、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ美術館などでコレクションされている。

 

 

PGI Exhibitions

2018年 「Recent Works 2018」
2014年 Recent Works
2008年 プラチナ・プリント・コレクション
1998年 「Photographs 1998」
1998年 「女性写真家による静物写真展」
1997年 「今 道子 写真展」
1994年 「Still Lives」
1990年 「EAT : Recent Works」