25mlの水に塩化第一白金酸カリウム5gを溶かしたものです。化学文献では飽和状態を室温で100ccの水に5gを溶解したものとしています。プラチナプリントに使う混合比だと室温では結晶が生じるので、過飽和状態の溶液にしておくためには常に温めておかなければならないことになります。
滴瓶の底に結晶が生じますが、溶液の色が濃いので見え難いのです。この状態で上部の溶液を使うと濃度が低いため、平板な粒子の粗いプリントができます。現在出回っている文献ではこの点をはっきり強調していないため、しばしば初心者が失敗する原因になっています。プラチナ溶液は冷たい(約15 ℃以下)シュウ酸第二鉄溶液と混ぜた時に結晶を生じます。その結果出来たプリントには鉛筆芯の頭程度の斑点が全面に残ります。
従ってシュウ酸第二鉄溶液と金属塩溶液はだいたい24℃以上の温度に、印画紙とテーブル表面は室温に保つのが最適です。寒い時期にはヒーターで室温を上げるだけでは不足です。