「The Last Firefly」は、ゴーウィンの娘たちが捕まえてきた蛍の光で気まぐれに作ったフォトグラムがきっかけとなっています。最初の一年はいくつかのフォトグラムを制作、抽象的な蛍の軌跡は、「最初は抽象的だったが、次第にメッセージを発する暗号のような形が浮かび上がってきた。(中略)ほとんどは漆黒の宇宙に浮かぶ星のようになり、無限に大きかった。」と語っています。その後、さまざまな調査を経て、蛍の個体数減少に影響を与えている生態系や風景の変化を学び、アメリカだけでなく、アジアまで足を伸ばして撮影しました。そうした中で、経済的な変化がもたらす風景の変化を目の当たりにします。「自然とテクノロジー、そして私たちが同時に生きるこの世界が、複雑な相関関係の上位にあることを表現したいと考えている」と語り、社会的なランドスケープと蛍という二つの風景によって作品が構成されました。
モノクロ・カラー写真図版45点
出版社:Tin Roof Press
発行年2024年
言語:英語
69ページ
作家サイン入り
イライジャ・ゴーウィン
オハイオ州デイトンに生まれる。父は写真家のエメット・ゴーウィン。1996年、ニュー・メキシコ大学より美術学修士号を受ける。幼い頃の体験や思い出、夢の中の出来事をモノクロームで物語風に写した「Hymnal of Dreams 夢の讃美歌集」を1994年から制作。2004年に日本で初めて作品が紹介された。最新作にアーカイバル・ピグメント・プリントによるカラーの作品「Of Falling and Floating」がある。2008年、グッゲンハイム奨学金を受ける。同年、Tin Roof Pressを設立。現在ミズーリ大学カンザスシティ校学部長及び教授として美術および美術史を教えている。
出版:Tin Roof Press