森下大輔: Autrement q’être -存在するとは別の仕方で-森下大輔: Autrement q’être -存在するとは別の仕方で-森下大輔: Autrement q’être -存在するとは別の仕方で-

森下大輔: Autrement q’être -存在するとは別の仕方で-

4,180円

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商品説明

2023年8月29日発売新刊

PGIで開催の森下大輔作品展「存在するとは別の仕方でに」2023年8月29日〜10月3日に合わせ出版された新刊写真集。

森下は、「存在」や「関係性」を核となるテーマにしています。事象を見つめ、シャッターを切り、暗室でプリントを制作、印画紙の上に二次元の視覚表現として立ち上がらせる、という変哲のない写真行為の繰り返しのなかで、写真を通して世界の原質に触れようとし、世界という存在を証明することを希求し続けています。
 
このシリーズは敬愛するフランスの哲学者、エマニュエル・レヴィナスの著書表題から取った、「存在するとは別の仕方で」(合田正人訳)をタイトルとしています。前作同様に6×7センチ判のカメラを用いて風景に対峙しながら、同時に、2014年ごろより試行錯誤を続けてきた、4×5インチの大判カメラによるモチーフを写した作品の二つから成っています。6×7の作品は、自身がこれまで被写体としてきた都市を離れて日本国内各地を周り撮影しました。その場所にある静かに積み重ねられた時間が、森下の作品に写ります。写真には「何か得体の知れないもの」が写ると信じ、そこから人間や物の存在ということを思考し続ける、祈りにも似た森下の写真制作は、本作にて「もの」を撮影するという新たなスタイルとなって結実しました。身の回りにある用を成さない「価値や意味が宙に浮いてしまったもの」が題材となり、抽象的な画を結んでいます。
 
「以前、大日方欣一さんとトークをしたのだが、その終盤、制作について問われた際、不意に『一人きりで宗教をやっているようなものですね』という言葉が口をついて出た。それがずっと意識のどこかに引っかかっていたせいか、今回の制作でも、何かを祈っている人物が写っている作品がある。写真家は何かを信じているのだろうが、それが何かは判然としない。そんなわからなさ、得体の知れなさを、写真家自身も含まれる『写真」という運動体にどのようにして担保し続けるのかが重要だと考える。」

透明な身体は、言葉や物と混じり合う。
そして、分からなさや、得体の知れなさを自らのうちに担保する。
身体は徐々に濁り、本来の透明度を失ってゆく。
だが、そんな濁った身体でなければ、原理から遠く隔たった他の何かに応えることはできない。
すべてが来るのを待っている。瞬間と無限が交わる場所で。
 
森下大輔

著者: 森下大輔
デザイン: 庄司誠 ebitai design
翻訳: Robert Zetzsche
サイズ: 280×223mm
ページ数: 96
掲載作品数: モノクロ48点
製本: 並製本/カバー
発行: asterisk books
初版: 300部
価格: ¥3800
2023年8月29日発行
ISBN 978-4-9909567-7-6

森下大輔
1977年生まれ。2005年「重力の様式(新宿ニコンサロン)」でのデビュー以来、一貫してモノクロ銀塩写真を用い、写真の純粋性を追求している。個展を中心に作品を継続的に発表しており、その作品の迫真性や、観客の想像力に訴える力量には特筆すべきものがある。
近年は個展だけでなく写真集による表現にも意欲的に取り組んでおり、2017年から、自身が主宰する写真集レーベル、asterisk booksより三冊連続で写真集を出版している。asterisk booksでは自身の写真集だけでなく編集を担当し、千葉桜洋「指先の羅針盤」、Abe Mariko「Voice of a bird」を出版している。
デジタル全盛の昨今において、フィルムと印画紙による銀塩プリントの可能性を追求し、鑑賞者の視覚的、身体的な感覚の深化に与することで、社会的な視覚文化の涵養に貢献している。2021年1月にはそれまでの活動が評価され、第19回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞。


装丁:ペーパーバック
出版:asterisk books, 2023年8月29日

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