本来毒性はありませんが、使用しているうちに紙のコーティングに使われているプラチナやパラジウム塩を取り込んで、すぐに毒性を持つようになります。この現像液はプラチナあるいはパラジウムでも他の現像液と比べて冷黒調のプリントを作りだしますが違いは僅かです。現像速度はシュウ酸カリウムの現像液の場合より短いですが、トーンは特にパラジウムを使った場合冷たい感じに仕上がります。液温は約38〜49℃で使用するのが最適です。現像速度は落ちますが、室温で使うこともできます。
プリント速度を多少犠牲にしてもよければ、この現像液は極めて広い温度範囲で使え氷で0℃くらいまで冷やして使うこともできます。
現像液は蒸発します。特に熱を加えた時には顕著です。またプリントを一枚現像する毎にプリントについた分だけ減っていきます。その都度新しい液を追加して下さい。また使用している内に液が「疲労」してくるという報告もあります。従来現像液は永久に使えるものと思われてきましたが、必ずしもそうではないということが分かってきました。使っているうちに駄目になってきたり、あるいは極く少量づつ足しながら大事に使っているとそれが液に負担をかける結果となります。補充する場合には十分な量を加えることによって液の性能を保つことができます。液が完全に駄目になるのは塩酸で汚染されたときです。
ボトルの肩まで水を入れて溶解して使用してください。