楢橋朝子は、まだ学生だった1980年代半ばに写真家森山大道のワークショップ「フォトセッション」に参加します。卒業後の1989年、個展やグループ展含め、一年を通して約10回に及ぶ展覧会を開催。沖縄をはじめ、国内の各地へ撮影行を繰り返し、写真家として旺盛な活動を始めます。この頃に西新宿にあったギャラリー、街道にて、「春は曙」というタイトルで連続3回の個展行いました。しかし、作家としてのデビュー作とも言える「春は曙」はこれまで写真集として編まれておらず、幻の作品となっていました。この写真集は34数年の時を経て作家出発点となる作品が収められた待望の写真集です。
写真・文=楢橋朝子
体裁=B5変形(173ラ257mm)
総頁数=120頁/上製
収録作品=79点(モノクロ)/和英併記
ブック・デザイン=服部一成
作家サイン入り
楢橋 朝子(ならはし あさこ)
東京生まれ。早稲田大学第二文学部美術専攻卒業。
1980年代半ば、森山大道のワークショップ「フォトセッション」に参加。1989年に初の個展「春は曙」を開催。翌年、自作の発表の場としてギャラリー、03FOTOS(1990-2001)をオープンした。97年に初の写真集『NU・E』、2003年にはカラーのスナップショットによる写真集『フニクリフニクラ』を刊行。2000年ごろより、のちに『half awake and half asleep in the water』(2007年)としてまとめられ、またその後も『Ever After』、「近づいては遠ざかる」などに続いていく、水の作品の撮影を始める。『half awake and half asleep in the water』は出版後に大きな反響を呼び、以降、国内外問わず個展や企画展、写真集の出版などを軸に、インディペンデントな活動を続けている。日本写真協会新人賞(1998)、写真の会賞(2004)、東川賞国内作家賞(2008)を受賞。