レイ・メツカー

Informed by Light 1957-1968

2016.8.24(水) − 10.29(土)
PGI

レイ・メツカー

Informed by Light 1957-1968

2016.8.24(水) − 10.29(土)
PGI

  • ©The estate of Ray K. Metzker, Courtesy Laurence Miller Gallery

PGIではアメリカの写真家、レイ・メツカーの展覧会「Informed by Light 1957-1968」を開催いたします。日本国内では1992年写大ギャラリーでの個展以来24年ぶりの個展となります。

 

1931年、ミルウォーキーに生まれ、モホリ=ナジ・ラースローによって設立され「ニューバウハウス」と呼ばれたシカゴ・インスティテュート・オブ・デザイン(以下ID)でハリー・キャラハンやアーロン・シスキンドに学びました。(1956-1959)
実験的な作風でもよく知られ、半世紀に及ぶキャリアの中で、表現方法、技法など白黒写真の潜在的な可能性を熱心に探求した、アメリカを代表する写真家の一人です。多重露光やジャクスタポセ、ソラリゼーションといった手法を用いる作品制作のスタイルは、写真言語の変換と拡張を探求する彼の写真表現の本質であると言えます。

 

ID出身の写真家に共通する光と影のコントラストを効果的に使った構成力は、他に類を見ない強さを持っています。
「写真をユニークな固有の特性を持った道具と考え、伝達手段の性格がその美学を決定しなければならないという確信を持っていた*」モホリ=ナジ・ラースローの実験的な考え方と、キャラハンとシスキンドが進めた「主観性が写真のグラフィック的客観性の根底にある*」という考えを結びつけたのがメツカーであり、IDにおける教育の中でメツカーが獲得したのは「直感と形式と自律的な視覚研究とを同時に評価する鑑賞眼だったと言われている。」(*日本写真芸術学会誌第13巻・第1号「レイK.メッカーの作品における様式の変換と新しいイメージ」藤井耿)

メツカーは実験的な画面構成にエモーショナルな共鳴もイメージに染み込ませていきました。例えば、強い太陽の光と、闇のような壁に二分される路上の写真は、希望と畏怖を想起させます。こうした作品制作を通して常に写真というメディアの最も忠実な解釈者であろうとし、半世紀以上も素晴らしい作品を作り続けたのは、「実験と主観」を行き来する脅威的なバランス感覚を持っていたからといえるでしょう。

 

本展では、代表作であるコンポジットやサンドクリーチャーのシリーズを含めて、1957年、ID卒業前後のシカゴでの初期作品から1968年にかけての作品を通して展示し、その非凡な光の表現をご覧いただきます。

レイK.メツカー
1931年ミルウォーキー(アメリカ)生まれ。
1956年から1959年、イリノイ工科大学シカゴ・インスティテュート・オブ・デザインにて、写真家のハリー・キャラハン、アーロン・シスキンドに学ぶ。卒業後の1年間をヨーロッパで過ごし、この旅で写真における光の捉え方に大きな影響を受ける。
1959年に初めての個展をアート・インスティテュート・オブ・シカゴ(イリノイ)で開催、1967年ニューヨーク近代美術館での個展など、ローレンス・ミラー・ギャラリー(ニューヨーク)をはじめ、メジャーミュージアムを含む47以上の個展をその生涯にわたって行っている。特に1984年に行われたヒューストン美術館での個展は、サンフランシスコ近代美術館、シカゴ美術館、フィラデルフィア美術館、アトランタ美術館、ロチェスター国際写真美術館、スミソニアン美術館を巡回した大規模な展覧会となった。2013年ポール・ゲティ美術館での大規模な回顧展を最後に1962年から故郷と決め、被写体とし続けてきたフィラデルフィアにて、2014年10月、83歳で死去。作品は、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、ヒューストン美術館、メトロポリタン美術館、東京都写真美術館など、多くの研究機関や美術館で収蔵されている。