<関連展覧会>「MOMATコレクション展」

2019.6.4(火) - 10.20(日)
参加作家:伊藤義彦
東京国立近代美術館
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<関連展覧会>「MOMATコレクション展」

2019.6.4(火) - 10.20(日)
参加作家:伊藤義彦
東京国立近代美術館
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Ito-im72-82012

©Yoshihiko Ito

 

 

参加作家:伊藤義彦

東京国立近代美術館のコレクション展にて、伊藤義彦の作品が展示されております。

是非この機会にご覧下さい。

 

「MOMATコレクション展」

2019年6月4日(火) - 10月20日(日)

東京国立近代美術館

 

3階 9室

「並べられた時間 ― 伊藤義彦の仕事」

展示期間:6月4日(火)-8月18日(日)

 

 フィルムを印画紙上に置き、フィルムサイズそのままの画像をプリントしたものを、コンタクトプリントといいます。大判フィルムの場合、それでも十分見応えのある作品となり得ますが、イメージサイズの小さい35mmフィルムでコンタクトプリントを作成するのは、普通はどのコマを引伸ばすべきか検討するためです。しかし伊藤義彦は、35mmフィルム一本分を撮影順に並べて焼き付けたコンタクトプリントそれ自体を、最終的な作品としています。 

 順番に撮影された画像がグリッド状に一つの画面に並ぶことで、各コマには、たて、よこ、斜めと、新たな関係が生じています。連続撮影した画像を連続して映写することで、時間を再生しているのが動画だとすると、伊藤の仕事は、それとはまったく異なる時間へのアプローチを試みている、とも考えられます。

 時間の経過の中で起きるできごとをじっと観察し、それを一つの画面に組み立てるとどう見えるか。2階の11室には、この関心に、コンタクトプリントとは異なる方法で取り組んだ作品を展示しています。

 

2階 11室
「動くか? 動かないか?」

 

 伊藤義彦

 「葬列」「公園」(パトローネシリーズより) 展示期間:6月4日(火)-8月18日(日)

 「回廊」「歩趨」(パトローネシリーズより) 展示期間:8月20日(火)-10月20日(日)

 

 連続撮影した静止画を連続して映写すると動画になります。静止画(コマ)の数が多ければなめらかな動きになり、少なければぎこちない。それがだいぶ少なくなって対象がとびとびに表れる場合でも、見る人は頭で補って、対象は動いているんだなと理解します。絵巻の「異時同図」とは言ってみればそんなようなことです(もはや動画ではありませんが)。

 絵巻では、光景それ自体が動いているように見えることもあります。とくに、絵巻の本来の鑑賞方法にしたがって、絵巻を手に取り、左手で繰り出し、右手で巻き取りながら連続的に鑑賞すると、すぐれた絵巻ほどすぐれた映画のカメラワークのような妙味を味わうことができます。動かないものを動くように見せる、その仕掛けは漫画でも発展を遂げています。

 この部屋では、以上のようなことを考えることができる作品を選びました。1階で7月2日から10月6日まで回顧展を開催する高畑勲に、『十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの―』と題した著作があることにちなんだ特集です。