伊藤 義彦
パトローネ
2000.11.6(月) - 12.16(土)
P.G.I. 虎ノ門
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©Yoshihiko Ito
伊藤義彦は、独特なコンタクトプリントの作品で知られる写真家です。これらの作品は35ミリ版ハーフサイズのカメラで撮影したフィルム1本分全部を、一枚の印画紙の上に焼き付けて作られていますが、意識的な不連続性に委ねられた展開の偶然性と、モノと影が織りなす写真の一コマ一コマあたかもモザイク模様のようになる様を一枚のコンタクトプリントで表現してきました。
作者は、これまでのようにフィルムの連続した一コマづつを並べて一つの作品を作り上げることから離れ、今度はイメージを継ぎ合わせることに手法を変えています。これらの作品は「写真で作られた絵巻もの」と作者が語るように、時間を凝縮するようにイメージが幾度も重なり合っています。それらはバライタ印画自体の特性を活かした巧妙な貼り付け方によって一枚ものに仕上げられ、記憶の不確かさと写真的な視覚のズレを再認識させてくれるます。初公開のこれらの作品は、従来のコラージュ手法とは異なる、作者独自の写真表現と言えるでしょう。 作品はそれぞれがオリジナルであり、横長のイメージサイズは27×40、18×71、13x105cm等いろいろとあります。
今回は新作発表として、20余点を展示致します。
伊藤 義彦(いとう よしひこ)
1951年生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。東京国立近代美術館フィルムセンターや東京都写真美術館、原美術館をはじめとする多数のグループ展で作品が展示される。近年の主な個展に「影のなか」P.G.I.(1998年)、「Contact Print Stories」 ローレンス・ミラー・ギャラリー、アメリカ(1992年)がある。
PGI Exhibitions
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2010年 | 「時のなか」 |
2006年 | 「水のなか」 |
2004年 | 「蓮の泡」 |
2000年 |
「パトローネ」 |
1998年 |
「影のなか」 |
1996年 |
「風と蝸牛」 |
1994年 |
「観ること・観つづけること」 |