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©Daisuke Morishita
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延長営業
9月27日(水) は閉館時間を延長し、19時まで営業致します。
PGIでは二回目となる、森下大輔の個展を開催致します。
森下は、「存在」や「関係性」を核となるテーマにしています。事象を見つめ、シャッターを切り、暗室でプリントを制作、印画紙の上に二次元の視覚表現として立ち上がらせる、という変哲のない写真行為の繰り返しのなかで、写真を通して世界の原質に触れようとし、世界という存在を証明することを希求し続けています。
2017年にはアスタリスクというフォトブックレーベルを立ち上げ、自身や若手作家などの写真集を出版、展覧会やレクチャーなど幅広い活動を続けています。
2021年1月には第19回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞。今後の活躍が期待される写真家です。
前作「Dance with Blanks」では遠景や、近景のランドスケープを中心に展示。ビル群や木々が却って、空や、建物の狭間などの空白を際立たせることで、観る者の視線を誘い、タイトルにあるBlank(空白)は、仏教における「空(くう)」という概念に通ずるものとして印画紙の上の新たな空間を想像することを試みました。
本展は、敬愛するフランスの哲学者、エマニュエル・レヴィナスの著書表題から取った、「存在するとは別の仕方で」(合田正人訳)をタイトルとしています。前作同様に6×7センチ判のカメラを用いて風景に対峙しながら、同時に、2014年ごろより試行錯誤を続けてきた、4×5インチの大判カメラによるモチーフを写した作品の二つから成っています。6×7の作品は、自身がこれまで被写体としてきた都市を離れて日本国内各地を周り撮影しました。その場所にある静かに積み重ねられた時間が、森下の作品に写ります。写真には「何か得体の知れないもの」が写ると信じ、そこから人間や物の存在ということを思考し続ける、祈りにも似た森下の写真制作は、本作にて「もの」を撮影するという新たなスタイルとなって結実しました。身の回りにある用を成さない「価値や意味が宙に浮いてしまったもの」が題材となり、抽象的な画を結んでいます。
「以前、大日方欣一さんとトークをしたのだが、その終盤、制作について問われた際、不意に『一人きりで宗教をやっているようなものですね』という言葉が口をついて出た。それがずっと意識のどこかに引っかかっていたせいか、今回の制作でも、何かを祈っている人物が写っている作品がある。写真家は何かを信じているのだろうが、それが何かは判然としない。そんなわからなさ、得体の知れなさを、写真家自身も含まれる『写真」という運動体にどのようにして担保し続けるのかが重要だと考える。」
本展では、ゼラチンシルバープリント作品約30点を展示致します。
透明な身体は、言葉や物と混じり合う。
そして、分からなさや、得体の知れなさを自らのうちに担保する。
身体は徐々に濁り、本来の透明度を失ってゆく。
だが、そんな濁った身体でなければ、原理から遠く隔たった他の何かに応えることはできない。
すべてが来るのを待っている。瞬間と無限が交わる場所で。
森下大輔
定員に達したため、受付を終了しました。
[2023年9月2日(土)] 午後4時 ~ 会場:PGI
森下大輔 x さとう陽子 (美術家) トークイベント「知られなくても 起こっている」
森下大輔作品展「存在するとは別の仕方で」開催に合わせ、「知られなくても 起こっている」と題し、美術家で絵画、写真、詩、パフォーマンス等を通して世界との向き合い方を問い続けている作家のさとう陽子氏をお招きし、トークセッションを行います。
定員 15 名
参加費 1,100 円(税込)
【お申し込み方法】
店頭、Eメール、またはSqaure(下記QRコード)よりお申し込みください。定員に達し次第受付終了いたします。
※お電話でのお申し込みは受け付けておりませんのでご了承下さい。
→Eメールよりお申し込みの際は件名を「森下トーク」とし、お名前、人数、ご連絡先を明記の上お申込み下さい。
参加費は当日受付にてお支払い下さい。
申込先: MAIL. info@pgi.ac
→ Square でのお申込み。オンライン決済にて参加費をお支払い下さい。
*Squareでチケット購入後のキャンセルにつきましては、イベント前日までにご連絡いただいた場合に限りご返金させていただきます。
当日のキャンセルはご返金できませんのでご了承下さい。
森下大輔 新刊「Autrement qu’être」asterisk books
森下 大輔(もりした だいすけ)
1977年生まれ。2005年、「重力の様式(新宿ニコンサロン )」でのデビュー以来、一貫してモノクロ銀塩写真を用い、写真の純粋性を追求している。個展を中心に作品を継続的に発表しており、その作品の迫真性や、観客の想像力に訴える力量には特筆すべきものがある。
近年は個展だけでなく写真集による表現にも意欲的に取り組んでおり、2017年から、自身が主宰する写真集レーベル、asterisk booksより三冊連続で写真集を出版している。asterisk booksでは自身の写真集だけでなく、編集を担当し、千葉桜洋「指先の羅針盤」、Abe Mariko「Voice of a bird」を出版している。
デジタル全盛の昨今において、フィルムと印画紙による銀塩プリントの可能性を追求し、鑑賞者の視覚的、身体的な感覚の深化に与することで、社会的な視覚文化の涵養に貢献している。2021年1月にはそれまでの活動が評価され、第19回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞。