1978年川崎市生まれ。生物学を学んでいた大学時代に写真に出会った新井は、写真の原点を探るうちダゲレオタイプを知り、試行錯誤ののちこの複雑な技法を習得。 しかし、彼はダゲレオタイプを古典技法として懐古趣味的に復刻しているのではない。むしろ、実際に自身が対象に出会った時の感覚を、一般的な写真よりずっとリアルに記録し伝えることのできる、頼れる「記憶装置」として自身のメディアとしてきた。新井は、この「装置」で、核の問題に興味を持ち始めた2010年から、第五福竜丸の船体や元船員との出会いを、過去の出来事という「実際」の断片に触れた記録-小さな「モニュメント」-として、一点一点収めてきた。その後は、福島、長崎、広島、と撮るべき対象に自然にめぐり合ってきたという。これまで、ボストン美術館、森美術館、東京国立近代美術館ほか国内外の多くの展覧会に参加。2014年に英国Source-Code Prize、2016年には第41回木村伊兵衛写真賞を受賞した。作品はボストン美術館、サンフランシスコ近代美術館、東京都写真美術館、 ギメ美術館等に収蔵されている。単著に『MONUMENTS』(PGI、2015)がある。