IO-2: 現代ダゲレオタイピスト展「ケア:今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」

2021.10.8(金) - 11.16(火)
11/7(日) は開廊

IO-2: 現代ダゲレオタイピスト展「ケア:今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」

2021.10.8(金) - 11.16(火)
11/7(日) は開廊

  • ©Takashi Arai

  • ©Binh Danh

 

アートウィーク東京に参加のため、11月7日 (日)は開廊します。


PGIは「ケア: 今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」をテーマにコンテンポラリー・ダゲレオタイプス日本委員会との共催で展覧会を開催いたします。

Care/ケアという言葉からは、様々なことが派生して考えられます。

多発する災害や紛争、そしてパンデミックに翻弄されながら生きる不確実性の時代において、写真が何を写してきた、または写すことができるのかという問いを持った時、このテーマがあがりました。

家族や社会、自己、他者、当事者などの価値観を考える時、写真というメディアがどのように人と人との間に存在しうるのかを改めて考えることが、この展覧会のひとつのミッションでもあります。

本展覧会では、新井卓、ビン・ダーン、ジェリー・スパニョーリ他の特別展示作品とともに、公募企画の入賞作品も一堂に展示されます。

 

 

公募について

この公募展は現代においてダゲレオタイプに取り組むすべての人々に開かれたものです。

写真黎明期の19世紀、ダゲレオタイプは近しい人々や愛する家族、そして自分自身の存在を未来へ伝えたるために撮影されました。写真は空間をこえて瞬時に共有することが可能になった現代でも、その初期衝動は家族のアルバムやプライベートな写真の営みのなかに受け継がれています。そして新型コロナウイルスが世界を覆い尽くす今、私たちひとりひとりの生のかけがえのなさ、そしてその存在の儚さを、誰もが意識する時代になったのではないでしょうか。本展が、個々人のための〈記憶装置〉としての写真のあり方を、危機の時代を生きる私たちの生活のなかに再発見する契機になることを願っています。

 

募集要項につきましては弊社Webサイトをご覧ください。

https://www.pgi.ac/707

 

 

コンテンポラリー・ダゲレオタイプス日本委員会と「IO-2Image Objects Exhibition vol.2)」

コンテンポラリー・ダゲレオタイプス(Contemporary Daguerreotypes)は2008年にニュージーランドのダゲレオタイピスト、アラン・ベッキスにより創設、ダゲレオタイプ(銀板写真)を21世紀において追求することを目的とした国際オンライン・コレクティヴでした。2012年にはニューヨークのペナンブラ財団 (Penumbra Foundation)にて、展覧会「IO-1(Image Objects Exhibition vol.1)」を開催、16ヶ国から33人のダゲレオタイピスト、74作品が集結しました。2020年にウェブサイトの更新を停止するまで、約20ヶ国、約80名のメンバーにより自由な議論と知識の交換が行われ、多くの実践者の道しるべとなってきました。

今秋開催の「IO-2」はベッキス氏が築いた礎を引き継ぎ、コミュニティの火を絶やさないため企画された第二回目の国際イベントです。

 

 

 

 

ケア: 今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために


1839年、写真の歴史はダゲレオタイプ(銀板写真)の登場とともに幕を開けました。それから180余年、メディアの発達とともに、写真は〈現実〉を切り取って他者と共有し、人々を動機づける手段としてあらゆる分野で活用されてきました。しかし19世紀当時──とりわけ複製不可能なダゲレオタイプが主流だった時代には──写真は、家族や愛する人々、自分自身の姿をはるか未来に運ぶための〈記憶装置〉として求められ、市井の人々が特別な感情をこめて営む行為だったのです。

2011年の東日本大震災直後、津波で流出し浜辺に打ち上げられた家族写真をボランティア・グループが洗浄し犠牲者の親族に返還した活動は、いまだ記憶に新しい出来事です。一度は忘れられたかに思えた名もなき人々のための〈記憶装置〉としての写真の価値は、21世紀においても決して失われていなかったことが、そのとき明らかになりました。
多発する災害や紛争、そしてパンデミックに翻弄されながら生きる不確実性の時代。生と死の意味について、また他者へ手を差しのべることについて、わたしたちは一人一人、自問をはじめたのではないでしょうか。
「ケア」の時代──〈記憶装置〉 としての写真/記憶をもった鏡・ダゲレオタイプに、いま、わたしたちの姿はどのように映るのでしょうか。

 

コンテンポラリー・ダゲレオタイプス日本委員会 Contemporary Daguerreotypes Japan Committee

代表 新井 卓(あらい  たかし/アーティスト・映画監督)

 

 

特別展示作品作家

 

新井 卓(あらい  たかし)

1978年神奈川県川崎市生まれ。写真の原点を探るうち最初期の写真術・ダゲレオタイプ(銀板写真)を知り、試行錯誤ののち同技法を習得。対象に出会ったときの感覚を、時間と空間を超えて、見るものに生々しく伝えることのできる<小さなモニュメント>として、自身のメディアとしてきた。2014年に英国ソースコード・プライズ(現 The Solas Prize)、2016年には第41回木村伊兵衛写真賞、日本写真協会賞新人賞、神奈川文化賞未来賞を続けて受賞。2018年、映像詩『オシラ鏡』で第72回サレルノ国際映画祭短編映画部門最高賞。スミソニアン博物館、ボストン美術館、サンフランシスコ近代美術館、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、ギメ美術館ほか多数の美術館に作品収蔵。

 

ビン・ダーン(Binh Danh)

1977 年ベトナム生まれ、アーティスト、サン・ノゼ州立大学助教授(写真学)。ダンはベトナム移民の歴史、 とりわけベトナム戦争に取材した作品でアメリカ国内の美術シーンで注目を集め、その後クロロフィル・プリ ントやダゲレオタイプなど様々な写真技法を横断的に使用しながら、活動を継続してきた。近年のプロジェクトに、オルタナティヴ・プロセス(個展写真技法)を駆使して制作する「戦場」のランドスケープ・シリーズ、ダゲレオタイプによるアメリカ国立公園に関するシリーズなどがある。サンフランシスコ近代美術館、フィラデルフィア美術館、ジョージ・イーストマン博物館、デ・ヤング美術館ほか美術館に作品収蔵多数。

 

アダム・フス(Adam Fuss)

ロンドン生まれ。イギリスとオーストラリアで育つ。1980年に写真エージェンシーOgilvy & Mather Agencyに勤務。2年後、ニューヨークに移りピンホールカメラを用いた実験的な作品を制作し、1985年にMassimo Audiello’s galleryで展覧会を開催。2000年に国際写真センターから第16回インフィニティ・アワードを受賞。ボストン美術館、メトロポリタン美術館、ヴィンタートゥール写真美術館(スイス)、ヴィクトリア国立美術館(オーストラリア)などで展覧会を開催。

 

マイク・ロビンソン(Mike Robinson)

1961 年カナダ生まれ、ダゲレオタイピスト。2017 年にロビンソン氏が発表した『The Techniques and Ma- terial Aesthetics of the Daguerreotype(ダゲレオタイプ技法と素材の美学的特質)』は、長年にわたって氏が確立したダゲレオタイプ技法に関する膨大な知見と歴史的資料の考察に基づいて、同技法の美的要素を科学 的に考察した革新的な論文として注目を集める。ロビンソン氏はダゲレオタイプ製作のための各装置を独自に改良し、アパチャー財団、ジョージ・イーストマン・ハウス、フォックス・タルボット美術館をはじめ各国でワークショップ、レクチャーなどを行い技法の普及に貢献してきた。『Young America; The Daguerreotypes of Southworth and Hawes(ヤング・アメリカ: サウスワーズ・アンド・ホーズのダゲレオタイプ)』 (2005、スタイデル)、『Coming into Focus(カミング・イントゥ・フォーカス)』(2000、ウロニクル・ブ ックス)ほか共著多数。

 

 

 

展示予定作家

ジェリー・スパニョーリ(Jerry Spagnoli)

クレッグ・タフェン(Craig Tuffin)