IO-2: Image Object Exhibition vol.2 現代ダゲレオタイプ国際展覧会+国際シンポジウム
ダゲレオタイプ(銀板写真)はフランス人画家ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1878-1851)と版画家・ニセフォール・ニエプス(1765-1833)の協同研究によって発明され、1839年フランス学士院で公表された世界初の実用的写真技法です。
ダゲレオタイプはフィルムや紙ではなく、鏡面に磨き上げた銀のプレートの上に複製不可能な画像を得る方法で、黎明期の技術でありながら現代の写真を凌駕する鮮明さによって人間の知覚を根本から変化させ、芸術、諸科学、産業をはじめあらゆる局面で人類史に多大な影響を及ぼしました。
その後180年間で写真技術はめざましい発展を遂げ、デジタル画像処理技術の登場によって優れた即時性/簡便性/配信可能性を獲得しました。しかしその一方で、大量複製・配信されるイメージの津波のなかで、写真史のはじまりから現在まで脈々と受け継がれてきた写真の〈モノ〉としての存在価値、名もなき人々の記憶を刻印して次世代へ運ぶ堅牢なメディアとしての写真の価値は、急速に忘れられつつあります。
新型コロナウイルスの世界的流行や数々の危機に直面して人々の生活様式や社会構造が大きく変化しようとするいま、あらためてダゲレオタイプに注目し、その特異なメディアの現代的価値について考えることは、視覚メディアが人類にもたらしうる新しい可能性を探る大きな手がかりとなるはずです。
IO-2: Image Objects Exhibition vol.2 公式ウェブサイト
展覧会概要
「ケア: 今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」
詳細はこちらをご覧下さい。
シンポジウム
「適応と回復のための写真:ダゲレオタイプの歴史・技術・アート」
日時: |
2021年10月31日(日) 午前8:00〜正午 (日本標準時)
|
|
場所: | オンライン開催 | |
申込: | https://bit.ly/IO-2_Registration-ja | |
Mail:
|
info@CDags.jp | |
助成: | ポーラ美術振興財団、公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京、野村財団 | |
協力: | 日本写真芸術学会、PGI |
|
コンテンポラリー・ダゲレオタイプス日本委員会は、国際オンラインシンポジウム「適応と回復のための写真:ダゲレオタイプの歴史・技術・アート」を開催します。
キュレーター、写真研究者、アーティスト他多様な話者によるレクチャーとパネル・ディスカッションを通して、19世紀写真技法・ダゲレオタイプの社会歴史学的側面と〈古典技法〉のイメージに収まらない、ダゲレオタイプの今日的位置づけと新たな可能性が議論されます。
なお本シンポジウムは東京のPGIで開催される展示会「ケア──今日のダゲレオタイプ:不確実性の時代のために」の連動企画です。
[事前収録] 10月下旬より順次公開 | ||
基調講演: | ||
- |
|
- |
|
映像資料: |
||
- | 新井卓(あらい たかし)映像詩『オシラ鏡』(2018) *第72回サレルノ国際映画祭短編部門最高賞 受賞作 | |
- |
カミロ・サボガル(SABOGAL, Camilo) 『ガラス・ダゲレオタイプの制作』 (2021) |
|
[ライヴ配信] 10月31日(日) 08:00〜 |
||
|
開会の挨拶 新井卓(あらい たかし)アーティスト/映画監督 |
|
第一部
|
総合司会 佐藤守弘 氏(同志社大学教授) | |
08:10 |
マイク・ロビンソン 博士(ダゲレオタイピスト) 「ダゲレオタイプ技法とそのマテリアルの美(仮題)」 |
|
08:40 |
安藤千穂子氏(京都工芸繊維大学 博士後期課程) 「島津斉彬が取り組んだダゲレオタイプとカロタイプ ─異なる写真技術に取り組んだ背景に対する―考察―(仮題)」 |
|
09:10 |
休憩 | |
09:20 |
アン・ハヴィンガ 氏(ボストン美術館写真部門長) 「ボストン美術館のダゲレオタイプ:歴史、記憶、課題」 |
|
09:50 |
ジョン・ジェイコブ 氏(作家/スミソニアン博物館写真キュレーター)
「19世紀アフリカ系アメリカ人ダゲレオタイピストの発見とその衝撃(仮題)」
|
|
10:20 |
休憩 | |
幕間
|
||
10:35 |
【トーク】ダゲレオタイプ・サークルの現在 2 「インド、ゴアより:インド初の現代ダゲレオタイプへの道(仮題)」 |
|
【トーク】カミロ・サボガル+新井卓 「コロンビア、ボコタより:ガラス・ダゲレオタイプの可能性(仮題)」 |
||
第二部
|
総合司会 佐藤守弘(同志社大学教授) ディスカッサント 青山勝(大阪芸術大学教授) |
|
10:50 |
パネル・ディスカッション |
「ケア: 今日のダゲレオタイプ──不確実性の時代のために」 |
|
登壇者 |
アダム・フス(FUSS, Adam) アーティスト ジェリー・スパニョーリ (SPAGNOLI, Jerry) ダゲレオタイピスト ビン・ダン(DANH, Binh) アーティスト クレイグ・タフェン(TUFFIN, Craig) ダゲレオタイピスト 新井卓(あらい たかし) アーティスト |
12:00
|
閉幕の挨拶
|
|
|
||
|