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©Michiko Kon
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11月23日(土・祝)は祝日のためギャラリー、ショップともお休みとなります。
お間違いのないようご注意下さい。
今道子は、自身の想像の中にある非現実の現実を、視覚芸術である写真を用いて表現しています。1980年代半ばより作家活動を開始、野菜や魚などの食材や、花や昆虫を素材としてオブジェを制作、それらを自ら撮影し印画紙に焼き付けた作品で知られる写真家です。
近年では生の食材だけではなく、動物の剥製、昆虫の標本、生きている蚕の幼虫や成虫、生魚から出来た練り物の竹輪などを使いオブジェが作られ、生きているインコとインコの剥製など、作品の中でよりリアルに生と死が混じり合い、輪廻転生をも連想される作品が多く作られています。
剥製は目玉や花で飾られ架空の生き物へと生まれ変わり、古道具やアンティークの小物は独特の艶かしい触感を持ち、銀塩の美しいプリントの中で凝固させられ、今道子によって吹き込まれた新たな命を生きているかのようです。民話や伝説の中で生かされる想像上の動物が教訓の寓意であるように、今作品のオブジェは彼女の死生観、ひいては祈りの寓意でもあるのでしょう。
今道子独特の感性で生み出された、どこか恐ろしいような沈黙したオブジェが誘うありとあらゆる「根源的な感覚」と、欲求や嫌悪感を刺激する「本能的な視覚」をぜひ体験して下さい。
今 道子(こん みちこ)
鎌倉に生まれる。1991年木村伊兵衛賞受賞、2022年日本写真協会賞作家賞受賞。個展多数。
近年の主な個展に「フィリア-今道子」神奈川県立美術館 鎌倉別館(鎌倉 2021年)、「今道子展」藍画廊(銀座 2021年)、グループ展に、アルル国際写真フェスティバル「I’M SO HAPPY YOU ARE HERE」 PALAIS DE L’ARCHEVÊCHÉ(フランス、アルル 2024年) 、「From Japan with Love」Galerie Huit Arles(フランス、アルル、2024年)、「種村季弘没後二十年 綺想の美術廻廊」スパンアートギャラリー(京橋2024年)などがある。作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、神奈川県立近代美術館、清里フォトアートミュージアム、シカゴ美術館、ジョージ・イーストマン博物館、センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー、ヒューストン美術館などでコレクションされている。