潮田登久子

玉里文庫

—鹿児島大学附属図書館貴重書庫の景色—

2025.9.12(金) - 11.9(日)→11.14(金) 会期延長します。
PGI

潮田登久子

玉里文庫

—鹿児島大学附属図書館貴重書庫の景色—

2025.9.12(金) - 11.9(日)→11.14(金) 会期延長します。
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  • ©Tokuko Ushioda

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11月9日(日) アートウィーク東京開催中につき、営業しております。

 

潮田登久子「玉里文庫」展、ご好評につき会期を11月14日(金)まで延長致します。

 

 


PGIでは三回目となる、潮田登久子の個展「玉里文庫 —鹿児島大学附属図書館貴重書庫の景色—」を開催いたします。

潮田登久子は1960年に桑沢デザイン研究所に入学し、石元泰博、大辻清司に師事。1963年に同校を卒業後、同校及び東京造形大学の講師を勤めながら、1975年頃から写真家としての活動を本格的に始めました。

代表作『冷蔵庫』にみられるように、潮田は身近な対象そのものを写しながらも人々が積み重ねてきた時間や佇まいを静かに浮かび上がらせてきました。

本展は、潮田が20年以上にわたり撮影を続けている「BIBLIOTHECA/本の景色」シリーズの最新作になります。これまでに『みすず書房旧社屋』(幻戯書房 2016年)『先生のアトリエ』(ウシマオダ 2017年)『本の景色/BIBLIOTHECA』(ウシマオダ 2017年)『改修前 前川國男設計 神奈川県立図書館』(猿田彦珈琲 2024年)を、写真集や写真展を通して発表し、書物やその周辺の魅力を描き出してきました。

前作『本の景色/BIBLIOTHECA』は、ふと手元にあった一冊の本の美しさに心を奪われ、「本をオブジェとして撮ってみたい」と感じたことがきっかけとなり始まったシリーズで、公立図書館や大学図書館、個人の蔵書、師である大辻清司のアトリエなどを訪れ、本が重ねてきた時間や空間の記憶、その存在感を捉えてきました。

シリーズ第五作目となる本作品は、鹿児島大学附属図書館に収められている「玉里文庫」や、同館貴重書庫に収められている他の貴重書の景色を、2019年から3年かけて撮影したものです。玉里文庫は、薩摩藩主・島津家の分家である、島津久光が興した玉里島津家に伝わる蔵書群で、歴史資料や和漢書を中心に約18,900冊にのぼる膨大な文献を収蔵しています。
島津家は、鎌倉時代から幕末・明治維新にかけて、約700年にわたり南九州を治めた大名家。その伝来文書は現在、4か所に分散して所蔵されていますが、鹿児島大学の玉里文庫は、学術的価値の高いコレクションの一つとされています。
撮影は書庫内の室内灯と隣室の窓から差し込む自然光の下で行われ、美しいモノクロとカラーによって、収蔵の面白さと書物の静謐な存在感や収蔵空間の佇まい、史料に宿る歴史の重みまでが豊かに描き出されています。

玉里文庫たまざと ぶんこ 撮影メモ

 

ふと自分の手元にあった本の美しさに、オブジェとして本を撮ってみたいと思ったことが、<BIBLIOTHECA/本の景色>シリーズを撮り始めたきっかけでした。

『みすず書房旧社屋』、『先生のアトリエ』、『本の景色/BIBLIOTHECA』の3シリーズに続いて、4作目となる今作は、鹿児島大学附属図書館に収められている、島津久光の興した玉里島津家の蔵書「玉里文庫」を2019年から3年をかけて撮影した作品です。

撮影は書庫内の室内灯と隣室の窓から差し込む自然光の下で撮りました。

使用カメラは3台のゼンザブロニカS2。レンズはゼンザノン100mmのほか、ニッコールの広角40mm50mm75mm135mm、およびクローズアップレンズ。ジッツオとベルボンの三脚、ケンコーの露出計、ブローニー・タイプのフイルムなど。念の為にズームレンズをつけたキヤノンEOS1台を加えました。

漬物石のような重さのこれらの機材を機内持ち込みの出来るスーツケースに詰め鹿児島と羽田の往復です。

202111月に玉里の撮影全てを終えた安堵の気持ちを乗せ、私は羽田空港へ到着し、そこで撮影道具とフイルムの詰まったスーツケースを、鹿児島空港の搭乗口においてけぼりにしてきたことに気づきました。

鹿児島空港に置き忘れた撮影済みフイルムと撮影機材たちは、数日後、宅急便で無事帰って来ました。

 

潮田登久子

 


[トークイベント]

 

潮田登久子 ✕ 多田蔵人 トークイベント

[2025年9月19日(金)] 午後6時 ~  会場:PGI

 

潮田登久子作品展「玉里文庫 ―鹿児島大学附属図書館貴重書庫の景色―」開催に合わせ、国文学研究資料館研究部准教授・多田蔵人氏をお迎えし、潮田氏との出会いや玉里文庫についてなど、本展の作品にまつわるお話を伺います。

 

定 員    15名

参加費  1,100 円(税込)

 

 

多田蔵人(ただ くらひと)

1983年生。東京大学人文社会学系研究科修了。博士(文学)。鹿児島大学法文学部を経て、現在、国文学研究資料館研究部准教授。

専攻は日本近代文学。島尾敏雄、永井荷風などの文体を研究している。

 

【お申し込み方法】

店頭Eメール、またはSqaure(下記QRコード)よりお申し込みください。定員に達し次第受付終了いたします。

※お電話でのお申し込みは受け付けておりませんのでご了承下さい。

 

Eメールよりお申し込みの際は件名を「潮田 トーク」とし、お名前、人数、ご連絡先を明記の上お申込み下さい。

 参加費は当日受付にてお支払い下さい。

 申込先:  MAIL. info@pgi.ac

 

Square でのお申込み。オンライン決済にて参加費をお支払い下さい。

 

*Squareでチケット購入後のキャンセルにつきましては、イベント前日までにご連絡いただいた場合に限りご返金させていただきます。当日のキャンセルはご返金できませんのでご了承下さい。

 

潮田登久子(うしおだ とくこ)

東京都生まれ。1963年、桑沢デザイン研究所リビングデザイン研究科写真専攻卒業。同研究所で写真家・大辻清司の指導を受け、写真家の道に進む。1966年から1978年まで桑沢デザイン研究所及び東京造形大学で写真の講師を務める。1975年頃よりフリーランスの写真家として活動を始める。代表作にさまざまな家庭の冷蔵庫を撮影した『冷蔵庫/ICE BOX』、書架に在る書籍を主題とした『本の景色/BIBLIOTHECA』などがある。2018年に土門拳賞、日本写真協会作家賞、東川賞国内作家賞、2019年に桑沢特別賞受賞。2022年、写真集『マイハズバンド』がParisPhoto–Aperture PhotoBook Awards、審査員特別賞受賞。