三好耕三
1620 CACTI
2026.1.9(金) - 3.4(水)
PGI
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©Kozo Miyoshi
三好耕三は、1970年代に写真家としてのキャリアをスタートさせ、1981年から8×10インチ判の大型カメラでの撮影を始めました。
以降、「天真爛漫」「傍観」「温室」など日本人の姿や日本の原風景を捉えた作品を発表し、その綿密な描写と静謐な時間感覚によって独自の写真世界を確立してきました。
1990年代には5年間にわたり米国アリゾナ州ツーソンに滞在し、「Chapel」「Southwest」「Airfield」「CACTI」「In the Road」など、アメリカの広大な土地と光の中で、風景と流れる時間が響き合う作品を発表してきました。
帰国後も再び日本各地を巡り、「櫻」「海廻り」「東京巡景」「津々浦々」を発表。2009年からは16×20インチの超大型カメラに持ち替え、「湯船」「SABI」「林檎」「繭」などのシリーズで、旅と撮影を重ねています。
本展は1996年に発表した「CACTI」シリーズの続編として、新たに16×20インチのカメラで撮影されたものです。
二十数年の時を経て再びアリゾナの地へと足を運んだ三好は、2019年以降、コロナ期を除き2025年まで毎年アメリカを訪れ、新たなサボテンを撮影してきました。
成長すると15〜20メートルにもなる巨大なサワロサボテンは、150〜200年も生きると言われています。前作では、主に独立して立つサボテン一つひとつに焦点を当て、その存在を静かに見つめてきましたが、本作では、より自然体で被写体と向き合う自由な視線から、サボテンとその周囲の風景が織りなす光と空気を捉えています。
16×20インチの大型カメラで撮影し、密着プリントされたゼラチン・シルバー・プリント約30点をご覧いただきます。
三好 耕三(みよし こうぞう)
近年の主な個展に「童夢 Childhood」PGI (2024年)、「井戸覗き Dig a Well」PGI (2022年)、「SHASHIN 写真」キヤノンギャラリーS(2021年)、「櫻 SAKURA」PGI (2020年)、「On the Road Again &YUBUNE」BOOKS f3(新潟 2020年)、「繭 MAYU」PGI (2019年)、「On the Road Again」PGI (2017年)、「RINGO 林檎」PGI (2015年)、「SABI」フォト・ギャラリー・インターナショナル<以下P.G.I.>(2013年)、「1972〜」gallery916 (2013年)、「YUBUNE 湯船」P.G.I. (2012年)、「櫻」1839當代画廊 (台北2011年)、「SEE SAW」P.G.I. (2010年)、「SAKURA 櫻覧」P.G.I. (2009年)、「津々浦々」P.G.I. (2007年)、「Tokyo Drive 東京巡景」P.G.I. (2006年)、「Seagirt海廻り」P.G.I. (2004年)、「SAKURA 櫻」P.G.I. (2003年)、「CAMERA 写真機」P.G.I. (2002年)、「Tokyo Street 横丁」P.G.I. (1999年)、「In The Road」P.G.I. (1997年)。
主なグループ展に、「Farewell Photography: The Hitachi Collection of Postwar Japanese Photographs: 1961-1989」フェニックス美術館 (米国 2022年)、「Longer Ways to Go」フェニックス美術館 (米国 2017年)、2015年「In the Wake: Japanese Photographers Respond to 3-11」ボストン美術館 (米国 2015年)、「スピリチュアル・ワールド」東京都写真美術館 (2014年)、「Reinventing Tokyo: Japan’s Largest City in the Artistic Imagination」ミード美術館 (2012年) などがある。
作品は東京国立近代美術館や東京都写真美術館、ジョージ・イーストマン・ハウス国際写真美術館(U.S.A.)、アリゾナ大学センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー(U.S.A.)、ヒューストン美術館(U.S.A.)などにコレクションされている。