三好耕三

井戸覗き Dig a Well

2022.10.11(火) - 11.26(土)
PGI

三好耕三

井戸覗き Dig a Well

2022.10.11(火) - 11.26(土)
PGI

 三好耕三は、1970年代に写真家としてのキャリアをスタートさせ、1981年から8×10インチ判の大型カメラでの撮影を始めました。

これまで数多くの作品を生み出してきた三好は、1980年代に「Innocents 天真爛漫」、「Picture Show 傍観」、「Conservatory 温室」、など日本人や日本の原風景を捉えた作品を発表した後、90年代には5年間、米国アリゾナ州ツーソンに滞在し、「Southwest」、「Chapel」、「CACTI」、「Airfield」、などの作品を発表、綿密な描写による独自の写真世界を広げていきました。

 2009年からは16×20インチの超大型カメラに持ち替え、旅と撮影を続けています。その旅の中で、「桜」(2003年、2009年、2020年)や「湯船」、「林檎」、近年のアメリカでの旅(「On the Road Again」2017年)など、それぞれのシリーズをまとめてきました。

 

 本作では、2009年から2022年までのそうした旅の最中に撮影された作品をご覧いただきます。三好は「私の写真は旅から生まれる」と以前語ったことがあります。桜を追う旅や湯船を訪ねる道中で出会う景色に、一会の傍観者として、その場所に立ち、風景にカメラを持って対峙してきました。それは、初めて出会う景色であり、また、幾度も訪れた場所。三脚を立て、カメラをセットし、光を待ちます。

 決まった被写体やテーマを定めず、それまでの旅で撮影されたそれらの作品は、旅をつなぐ点のようで、見る人の潜在意識や記憶と響き合います。井戸の中を覗くような密かで豊かな時間の前に広がる光景をお楽しみください。

 

 

 

井戸覗き Dig a Well

三好耕三|Kozo Miyoshi

 

最近井戸を掘った。

実家に古い堀井戸があった。丸い手鏡の様な水面の遥かな水影を覗くのが好きだった。

ある日の事、雲が映りその合間をプロペラの飛行機が瞬く間に横切った。

その話を友だちに得意顔で話をした。友だちは横を向いた。

それから井戸の話はしなくなった、そして井戸覗きも忘れた。

最近井戸を掘った。

 

 

三好 耕三(みよし こうぞう)

近年の主な個展に「SHASHIN 写真」キヤノンギャラリーS (2021年)、「On the Road Again & YUBUNE」BOOKS f3 (2020年)、「櫻 SAKURA」PGI (2020年)、「繭 MAYU」PGI (2018年)、「On the Road Again」PGI (2017年)、「RINGO 林檎」PGI (2015年)、「1972~」Gallery 916(2013年)、「櫻」1839當代画廊 (台湾 2011年)。主なグループ展に「Farewell Photography: The Hitachi Collection of Postwar Japanese Photographs: 1961-1989」フェニックス美術 (米国 2022年)、「Longer Ways to Go」フェニックス美術館 (米国 2017年)、センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィ (米国 2018年)、「In the Wake: Japanese Photographers Respond to 3-11」ボストン美術館 (米国 2015年) などがある。