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©Kochi Prefecture, Ishimoto Yasuhiro Photo Center
石元泰博は日本を代表する写真家であり、世界的にも著名な写真家です。石元氏が半世紀を越えてこれまでに撮影してきた作品は多岐にわたり、また膨大な数にのぼりますが、ここ数年石元氏は渋谷の街かどで人々を撮影しています。
渋谷駅前のスクランブル交差点で信号待ちをする人々の後ろ姿を捉えたこれらの作品は、2002年から撮影が始められ、35ミリカメラをちょうど鳩尾のあたりにさり気なく支えて撮影されています。その一部は2003年および2004年に「街かど」と題して展示されましたが、石元氏はその後も撮影を続け、これらは今年撮影された作品も含めて、氏の最新作となっています。
どこからともなく人々が集る渋谷の混沌とした街かどで、後ろ姿の顔の見えない人々が身にまとうTシャツやジャケットには、横文字が溢れ、動物柄や水玉や網の目や、絵や、さまざまな模様が溢れています。石元氏は、これらの人々をますます鋭敏な造形感覚で、圧倒的な数を撮影しています。街とは、人とは、デザインとは、時間とは、、、といった氏がいつも関心を寄せている多元的な要素が写真画面から伝わってきます。これらの写真を見るとき、私たちもまた、様々な事を写真から読み取り、そして考えるきっかけを得ていると言えるでしょう。
叡智の人、石元泰博氏の、写真に対する揺るぎない姿勢は、常に現在を受け止め思考する氏の生き方そのものでありましょう。
今回の展示は、写真集 『シブヤ、シブヤ』の出版に併せて行われるもので、渋谷のスナップショット、モノクローム作品約60余点を展示いたします。氏の写真世界を感じることのできる展覧会です。
石元 泰博(いしもと やすひろ)
1921年サンフランシスコ生まれ。1924年から39年まで高知で過ごす。1939年単身渡米。シカゴのインスティテュート・オブ・デザイン(通称 ニューバウハウス、後にイリノイ工科大学に編入)写真科に学び、1952年卒業。1953年帰国。1958年から61年まで再びシカゴに滞在。1969年に日本国籍を取得。以後、日本を拠点として制作活動を続けている。平成8年度文化功労者。
「シカゴ」や「東京」を捉えたシリーズ、そして「桂離宮」、「曼荼羅」、「伊勢神宮」などの作品で知られる。
シカゴ美術館や東京国立近代美術館、東京都写真美術館、高知県立美術館などで個展が開催されている。
PGI Exhibitions
2012年 | 「シカゴ, シカゴ」 |
2011年 | 「両界曼荼羅」 |
2009年 | 「色とかたち」 |
2008年 | 「東京」 |
2007年 | 「シブヤ、シブヤ」 |
2006年 | 「On The Beach」 |
2005年 | 「シカゴ 1966」 |
2003年 | 「桂離宮」 |
2001年 | 「顔」 |
1998年 |
「KATSURA」 |
1998年 | 「水と人のながれ」 |
1997年 | 「シカゴ時代」 |
1996年 | 「色と遊ぶ」 |
1995年 | 「雲、紙、雪のあしあと, 伊勢神宮」 |
1992年 | 「落ち葉とあき缶」 |
1989年 | 「桂」 |
1988年 | 「花」 |
1986年 | 「街 ひと かたち」 |
1983年 | 「山の手線 29」 |
1983年 | 「シカゴ、シカゴ II」 |
1982年 | 「ある日ある所」 |
1982年 | 「シカゴ、シカゴ」 |