トミオ・セイケ

OVERLOOK

2012.3.2(金) - 4.28(土)
Photo Gallery International

トミオ・セイケ

OVERLOOK

2012.3.2(金) - 4.28(土)
Photo Gallery International

  • ©Tomio Seike

  • ©Tomio Seike

  • ©Tomio Seike

  • ©Tomio Seike

  • ©Tomio Seike

トミオ・セイケは東京とヨーロッパにベースをおき、作品を制作しています。
今作はイギリス・ブライトンのフラットの窓から撮影されました。

ブライトンはセイケにとって常に撮影へ旅立つ拠点としてあります。穏やかな静寂をたたえた作品群はそこで着想を得、都市の風景やヌード、水辺のイメージを撮った「WATERSCAPES」、グラインド村の鍛冶屋を取材した「LIGHT ON DUST」などが生まれました。

1825年建造のこの家には海に面して三つの屋根窓があります。そのうちの二つは、潮風から建物を保護するために数年に一回塗り重ねられるペンキで開きません。セイケは端の一つの窓から撮影しました。

東京とブライトンを往復する生活が、ふと気付けば永遠ではない、イギリスからいつか離れる時がくる、という思いをいつの頃からか抱き、意識し始めたことがきっかけでした。
清家はブライトンにあるピアを撮影したシリーズ「WEST PIER」展(2008年gallery bauhaus、東京)に寄せた文章の中でこのように言っています。
「80年代の後半になってブライトンをベースに制作するようになってからは、特にブライトンをテーマに選んで撮るということはありませんでした。それまでの外から訪ねる視点と、そこが日常になったことの難しさを、その頃は感じていました。」
そう遠くない将来の別離は全てが日常ではなくなるということを意味します。親しんだ風景や部屋はそれまでとは違ったものになったでしょう。
そのことに気付いて、物の見方が変わってきたことが「OVERLOOK」という作品を生みました。
数百メートル先に見える海は刻々とその表情を変え、佇んで海を眺める人や犬を連れ散歩する人が見えます。静謐なイメージはこれまでの清家作品と同様に、しかし、時間の堆積ややがて去り行く現在への未来の郷愁を思わせ、観る者を不思議な想像へと導くでしょう。

今作はセイケにとっては初のカラー作品となります。また、撮影にはシグマのデジタルカメラSDを使用しています。デジタル技術が革新的に進化したことで、自分が欲しくなるようなカラープリントを自分で制作することが可能になりつつある時代になったと語っています。

清家冨夫 写真集「OVERLOOK」
寄稿:Andy Cowan, David Peckman
デザイン:John Morgan studio, London
版型:320x245mm並製
限定:1000部
出版:Hamiltons, London
予価:5,145円(消費税込み)

トミオ・セイケ
1943年生まれ。 独立した後ロンドンに渡り、1974年に帰国してからはファッション雑誌を中心にエディトリアル・フォトの分野で活躍。1985年に最初の発表をした 「ZOE」のシリーズを契機に作家活動に専念。以来作品を制作し、発表し続けている。ハミルトンズ・ギャラリー(ロンドン,イギリス)、ウェストン・ギャラリー(カーメル,アメリカ)を中心に個展多数。
主なコレクション:パリ国立図書館、ヨーロッパ写真館(パリ)、ヒューストン美術館(ヒューストン)、サンタバーバラ美術館(カリフォルニア)、サー・エルトン・ジョン・コレクションほか。

 

 

PGI Exhibitions

2012年 「OVERLOOK」
2011年

little 8 silver prints

2009年

NUDE

2007年

LIGHT ON DUST – Glynde Forge –

2001年

WATERSCAPES

1997年

「PARIS」