三好 耕三
櫻
2003.4.1(火) - 4.25(金)
Photo Gallery International
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©Kozo Miyoshi
三好耕三は1998年から数年間、春になると「櫻」の撮影に取り組んで来ました。 これまでも各地の名所銘木を訪ね、さくら前線と共に北上する旅を繰り返し、気に入った「櫻」だけを写してきました。1985年「天真爛漫」、1987年 「Picture Show」で発表した、子供たちの背景になった土手の桜や畑の中に立った大きな桜(雀のお宿)などが記憶に残ります。満開の頃、桜花は風景の中で一際美し く、人々の心を虜にし、お花見で沢山の人を集めます。そんな桜を見上げているうちに、三好は風物としての桜ではなく、桜そのものを撮り直そうと考えまし た。
1998年の春、作者のいう「一週間の狂喜」がやって来ると、住まいのある代々木から、新宿御苑、九段、千鳥が 淵、鎌ヶ谷、土浦、高遠(長野)、三春(福島)、長井、寒河江、中山、白鷹(山形)、弘前(青森)へと、三好の脳裏には一瞬にして、地図上に一本の桜道が 描かれます。
三好が印画上に描く桜は、光と影の白黒に描き換えられ、桜花の淡いピンクが空の光と同化し、一片一片の花びらがフィルムの銀粒子に置き換わる。このことが、作者にとって面白いことでもあり、表現上難しいことでもあると、三好は語っています。 これらの「櫻」の作品によって、我々日本人が持っている「花見」を春の象徴とする特有の季節感や、桜のある風景に対する美意識をあらためて痛感し、そして 郷愁にも似た感動が呼び起こされるでしょう。
三好 耕三(みよし こうぞう)
1947年生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1986年日本写真協会新人賞受賞。1993年コニカプラザ奨励賞受賞。1991年文化庁芸術家在外研 修員として、アリゾナ大学センター・フォー・クリエイティヴ・フォトグラフィーで1年間研修後、96年までアリゾナ州で制作活動を続ける。
主な個展に「天真爛漫」P.G.I.(1985年)、「Picture Show」P.G.I.(1987年)、「温室」P.G.I. (1989年)、「In the Road」P.G.I.(1997年)、「Tokyo Street 横丁」P.G.I. (1999年)、「富士登」P.G.I.(2001年)がある。
作品は東京国立近代美術館や東京都写真美術館、ヒューストン美術館、プリンストン大学美術館などでコレクションされている。
PGI Exhibitions
2020年 | 「櫻 SAKURA」 |
2019年 | 「繭 MAYU」 |
2017年 | 「On the Road Again」 |
2015年 | 「RINGO 林檎」 |
2013年 | 「SABI」 |
2012年 | 「YUBUNE 湯船」 |
2010年 | 「SEE SAW」 |
2009年 | 「SAKURA 櫻覧」 |
2007年 | 「津々浦々」 |
2006年 | 「東京巡景」 |
2004年 | 「海廻り」 |
2003年 | 「櫻」 |
2002年 | 「CAMERA – 写真機 –」 |
2001年 | 「富士登 ふじのぼり」 |
1999年 | 「横丁」 |
1999年 | 「In the Road」 |
1997年 | 「In the Road」 |
1996年 | 「CACTI Landscapes」 |
1995年 | 「カクタイ」 |
1995年 | 「飛行場」 |
1994年 | 「Southwest」 |
1993年 | 「Chapel」 |
1992年 | 「タイ・ループ」 |
1989年 | 「温室」 |
1987年 | 「傍観」 |
1985年 | 「天真爛漫」 |
1983年 | 「See Saw」 |
1979年 | 「Exposure」 |