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©Kozo MIyoshi
1970年代「See Saw」に始まった三好耕三の撮影の旅は1987年「傍観」、1989年「温室」、そして米国アリゾナでの1994年「South West」、1997年「In The Road」へと、一定の時間と空間を移動しながらの作品づくりでした。それは取り留めもない旅でもありましたが、「被写体」との出会いを祈願しながら決められた行程を移動する、「巡礼の業」にも似ています。
しかし、これまでに何度か立ち止まって「ここにあるもの」を見つめ続けることがありました。
1990年には自家栽培の大根をモチーフに「ROOTS」を撮影、1994年にアリゾナのサボテン群で一本一本のジャイアントサボテンを撮り集めたシリーズ「CACTI」があります。
そして1972年の作品発表から30年目に三好耕三が見つけた「もの」は、最も身近な「カメラ」そのものでした。それらは学生時代に使っていたものやゴミ捨て場で拾ったもの、埃だらけのジャンクショップで見つけたもの、知人から貰いうけたもので、その半数は写真を写すというカメラ本来の機能を失っていますが、すべてが作者と人生を共にしてきた、愛おしい形ある「もの」でした。そのような「カメラたち」のポートレートを捉えたユニークな作品は、それぞれの時代を反映するかのように様々な表情をしています。
今回展示される写真は全紙大で、カメラは実寸の数倍の大きさに拡大され、カメラの目となるレンズに焦点が合わせられています。
約30台のカメラの「顔」を展示いたします。
三好 耕三(みよし こうぞう)
1947年生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1986年日本写真協会新人賞受賞。1993年コニカプラザ奨励賞受賞。1991年文化庁芸術家在外研 修員として、アリゾナ大学センター・フォー・クリエイティヴ・フォトグラフィーで1年間研修。96年までアリゾナ州で制作活動を続ける。帰国後再び日本国 内を撮影。
近年の主な個展に「富士登」P.G.I.(2001年)、「Tokyo Street 横丁」P.G.I.(1999年)、「The Mother Road−Route 66」コニカプラザ(1998年)、「In the Road」P.G.I.(1997年)、「Far East and Southwest: The Photography of Kozo Miyoshi」アリゾナ大学センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー(1994年)がある。作品は東京国立近代美術館や東京都写真美術館、 ヒューストン美術館、プリンストン大学美術館などでコレクションされている。
PGI Exhibitions
2020年 | 「櫻 SAKURA」 |
2019年 | 「繭 MAYU」 |
2017年 | 「On the Road Again」 |
2015年 | 「RINGO 林檎」 |
2013年 | 「SABI」 |
2012年 | 「YUBUNE 湯船」 |
2010年 | 「SEE SAW」 |
2009年 | 「SAKURA 櫻覧」 |
2007年 | 「津々浦々」 |
2006年 | 「東京巡景」 |
2004年 | 「海廻り」 |
2003年 | 「櫻」 |
2002年 | 「CAMERA – 写真機 -」 |
2001年 | 「富士登 ふじのぼり」 |
1999年 | 「横丁」 |
1999年 | 「In the Road」 |
1997年 | 「In the Road」 |
1996年 | 「CACTI Landscapes」 |
1995年 | 「カクタイ」 |
1995年 | 「飛行場」 |
1994年 | 「Southwest」 |
1993年 | 「Chapel」 |
1992年 | 「タイ・ループ」 |
1989年 | 「温室」 |
1987年 | 「傍観」 |
1985年 | 「天真爛漫」 |
1983年 | 「See Saw」 |
1979年 | 「Exposure」 |